今ネットが憂鬱で溢れているのは

憂鬱という文字はなぜ難しいのだろうか。実は、憂鬱という感情は、書かれることによって、書き手の中で定着し、また読み手に伝染する。それを防ぐために太古の賢者はその感情に書くことさえ憂鬱になるほどの文字を割り当てたのである。憂鬱という字を書くためには憂鬱であってはいけない。他人の憂鬱を表すときにしか使えなくし、拡大伝搬を防ぐための配慮であった。
だがしかし、その功を考慮しないデジタル機械はカナ漢字変換器によって憂鬱という字を誰もが書きやすくしてしまった。
今ネットが憂鬱で溢れているのはカナ漢字変換器のせいであると言えよう。