津波の怖さは高さじゃない

よく日本で地震があった後に津波警報があっても「津波5センチってなんやねん!」みたいな感想があって、その延長で津波1メートルってなんやねん!とか思っていた。ディープ・インパクトみたいな、10mの大津波とか映画で見たイメージから比べるとはるかに小さいから。日本の津波伝説というかそういうのでも「この山のこの辺まで津波が来ましてね」みたいな、高さで傷跡が紹介されていたので「高くない=怖くない」のイメージがあったようだ。海岸に行けば30センチくらいの高さの波なんて普通にあるのに!
今度のスマトラ島沖地震津波の映像とかテレビで流れるようになって、イメージが変わった。
津波の恐ろしさは速さであり勢いであり力であるようだ。当然高ければ力も増すのだが、それよりも「どこまでもいつまでもすごい速さで追ってくる津波」の方が、被害が大きい。30センチ程度でも人間は流される。注意深くて運動神経のある人間でも、本人が流されない自信があっても、流されてきた漂流物にぶつかって転ばされて流される。
通常時、海岸で30センチの波がきても、それは少しすれば海に戻っていくので波打ち際で遊んだりできるのだけれど、津波はそれが「戻らない」のが恐ろしいようだ。