信頼できる相手からのスパム

 「メールが来てるけど、化けてるけど、これなに?」
 と聞かれて見に行ったら、スパムだった。文字化けしてたけど。聞いた人は、スパム慣れしてない人ではなく、普段ならタイトルを見ただけで棄てるくらいなんだが、なぜわざわざ内容を確認したのか? そう、普通のスパムと違ったのは、差出人アドレスが僕になっていた事だった。
 なるほど! と思わず膝を打った。
 普通のスパムと同じようにスパイダーでメールアドレスを収集して出してるんだと思うんだけど、同じドメイン内で二つ以上のアカウントが見つかった時は、互いを差出人にしてやれば、開封率はものすごく高くなる。
 これをもう少し発展させて、たとえば個人ウェブページの相互リンク。あるいはFOFA、SNS。あるメールアドレスとあるメールアドレスの間には信頼関係がある、ということが分かれば、信頼している相手のアドレスを偽ってスパムを送ることで、開封率を確実に高められるはずだ。
 ベイジアン等いろんなスパムフィルターがかかっていたとしても、同じドメイン(同じ会社・学校)のアドレスは、ホワイトリストに登録されている可能性がかなり高いはずだからだ。そのメールのタイトルが「未承諾広告」と付いていたとしても、差出人が信用できる人物なら、何らかの理由を考えて内容を確認してしまうだろう。しかも、かなり注意深く。一見普通の広告に見えても、そこに信用できる差出人の何らかの意図が含まれているかもしれない、と考えるからだ。それを気軽に無視するのは、信用できる差出人から自分に向けられているであろう信用を、無視することになるからだ。
 しかしなんとも、普通のスパム以上に憎悪もますイヤーなやり方であることは確かだ。
 差出人を偽ったメールに対する対処って、何か無いんだろうか。