BREW携帯にタブブラウザを実装

ソフィア・クレイドルは2月25日、携帯電話機向けのタブブラウザ「ソフィア・ブラウザ」を発表した。同社がBREW対応携帯電話機に「世界で初めて」(同社)実装したもので、1つの画面で複数のウェブページを切り替えながら閲覧できる。

タブとは何か?
タブブラウザでないWEBブラウザのインターフェースは直線的である。時系列に沿って並べられた「戻る」と「進む」しかない。ところがWEBの世界は直線的ではない。WEBページは基本的にリンクの「集合体」として作られており、多くの場合「進む」は複数に分かれている。「進む、戻る」だけの一次元の世界に対して二次元的であるといえるだろう。直線構造ではなく「ツリー状」であるといえる。ここでいうツリーは必ずしもディレクトリ(URLパス)構造を指しているのではない。そのルート(根)は「スタート・ページ」であり、多くの場合は検索ページである。ユーザーのWEBブラウジング行動で、「目的の情報」が一つであった場合、目的の情報に見つけ出す、目的の情報の範囲を一通り確認する、目的の情報をじっくり得る、といった行動が考えられる。これらはツリーを徘徊することによって達成される。
タブは、ツリー状のWEB構造において、簡易でごく一時的な(ブラウザを閉じるまでの)ブックマークとして機能する。これは、画面上の面積をとらない割に一覧しやすく、容易に編集(特に削除)可能で、ワンクリックで指定可能であることから、メニューバーをたどる通常のブックマークよりもツリー上を徘徊する行動に適しているといえよう。そしてそれらは画面状態をメモリ上に保持しているため瞬時に切り替え可能であり、スクロール位置や入力の状態まで保持している。タブとは、ツリー状のWEB構造を徘徊する際の、画面状態を保持した、つまり「時間を完全に保存したブックマーク」なのだ。
ただ、携帯端末などの極端に画面が狭い端末では、ごくわずかな画面スペースでさえ貴重な資源となる。ここにおいてタブの占める面積は、どれほどに利便性を高めるだろうか。むしろタブの持つ一覧性という利便性を損ねても、画面が広い方がいいような気がする。つまり、「隠れるタブ」のようなものが必要となるのではないか。