イノセンス

幻惑いやいやすごかったですよ。
ネタバレっつうかパンフレットや公式サイトに書いてあることが物語のすべてなんですが、おまえは浜村享かと問いつめたい。なるべく前知識なしに見たいタイプなんで読んでなかったですが。脳か人間か記憶か現実とは魂の存在はみたいなネタは押井守がさんざんやってきたネタですが論語とかのひけらかし感は押井守士郎正宗かどっちのものだろう専門用語乱れ打ちは士郎正宗感ですよでもみんな同じ効果をねらってる気がする。手塚眞が実写でやった気もしないではない世界(それ以前にもあった気がしないでもない)だが、規模が全然違うですよ*1。もうね。オープニングから圧巻。自分のサイトを黒地にオレンジのラインに模様替えしようと思ったくらい。ただ「攻殻機動隊2」として宣伝した方がよさそうだと思うのになぜそれを前面に出さないのか間違って前作を見ずに本作だけ見てしまったらどうするのか「バトーの中の素子の不在」がテーマな訳だが第2作としてしかあり得ないストーリーですよ声だけで誰かを示されている人物が本作ではきちんと出てこない。背景CGの立体感と人物ののっぺり感ってのは演出上のわざとなんだろうか、その点『アップル・シード』は期待できないと思った。

  • この映画の見方
    • 前作は事前チェックしてから見に行く。できれば原作も(一巻目だけでいい)
    • 全体的なストーリーは複雑ではないく十分に把握できるのでしっかり置いていかれないようにすること
    • 過剰な情報(引用や衒学的台詞とか漢字専門用語)は意味が本質からずれていることを頭に置きながら意味を求めること。ただし、ストーリーに置いていかれないようにどんどん捨てる。
    • とりあえず70%程度の理解を求めて見る。よかったらDVDとか買ってポーズ&巻き戻しできる体制でもう一回見よう、程度の覚悟で。だからといって劇場映画に金を払う価値がない、と言っているわけではない。むしろ逆で、小さな画面などより、よほど濃い情報を提供できる環境で見た方が絶対にいい。
    • あらかじめ理解を超えた密度で語られているのでむしろ膨大な情報が自分の脳からあふれる感覚を楽しむこと
    • でもまあ、監督は登場人物の心の動きを追ってくれといってるよ

*1:ちなみにアニマトリックスにもよく似た曼荼羅世界あったけどこれとも規模が違う