emacs ワームを阻むもの

http://amrita.s14.xrea.com/d/?date=20040210#p02
emacs でワームを作成することはそれほど難しくないと思う。強力なフック、強力な通信環境、強力なインタプリタ。たとえばゲームだとしてかなり難読なマクロを、たいした警戒をさせることなく「導入させる」ことは可能だろう。それがネットワークを介してデータをとってくる、というふれこみで、あるサーバからそれなりのマクロを自動インストールさせる。
「HDD 上のあらゆるファイルを削除する」マクロは記述可能だ。それは、emacs が動くあらゆる環境下で動かすことができるように記述可能だ。ともすれば xyzzy などでも動くように記述可能かもしれない。
拡散・自動実行の方法もしかりで、最も簡単には自分の .emacs ファイルの最後にワームを実行させる一行を加えるだけでいい。「環境の多様性」と呼ばれるほどに多様な処理は必要ではないはずだ。
「環境の多様性」は、「実行環境の強力さ」が克服する。Write Once, Run Anyware はエディタのマクロを含めた、あらゆるプログラマの夢であり、プログラマとユーザーの要望は実行環境の共通化を推し進める。「xemacs で動くこのマクロを Meadow で動かすにはどうすればいいですか?」という質問に回答できる、というのはその状況を表している。
「エディタのマクロによるワーム」の作成・拡散を阻む物は、「エディタの使用者がマクロコードを読める場合が多く」「読む機会が多いために」「簡単に見破られる可能性がある」というこの状況だと思う。