京都府警がWinnyに叩きつけた挑戦状 ―「われわれはすべてを解き明かした」

 また、事件を手がけた京都府警の捜査幹部は、
 「Winnyの匿名性は完全に暴かれたといっていい。今後、Winnyの仕組みを使ってファイル交換を行なえば、いつでも警察に摘発される状態になるということだ」
 と誇らしげに胸を張った。

 しかしいずれにせよ、Winnyでは違法ファイルを検索して検挙の目的でダウンロードしても、そのファイルを最初にアップロードした人間を捜すのは無理だと思われていた。直接キャッシュをやりとりする相手は、そのキャッシュが何のファイルか認識しておらず、犯意はない「善意の第三者」に近い存在と言えるからだ。
Winnyの匿名性は破られたのか?
 では、京都府警はどのようにしてこの難関をクリアしたのだろうか。取材に応じた京都府警幹部は、具体的な捜査手法については「言えない」と口を閉ざした。
 「一罰百戒の面から言えば、このようにしてわれわれはWinnyを解き明かしたのだということを説明したい気持ちはある。しかしその方法を明らかにしてしまうと、捜査への対策方法がまた編み出され、雑誌やWebサイトなどに『こうすれば警察の手を免れられる』といった手口の解説記事が載ってしまうといったことになりかねない。われわれがアナウンスすればするほど、逆にまたそうしたものを誘発してしまうわけで……諸刃の剣としかいいようがない」