フレイクス

山本直樹の漫画が好きだ。彼の書く漫画には明るい世界や未来はない。明るく書かれていれば、それは確実に皮肉としての表現だ。この4編もそうだが、そこに出てくるのは行き詰まった世界である。それは閉鎖的な人間関係であり崩壊後の家庭であり確実に消え去った憧憬であり繰り返す抜け出せない平凡な日常である。そして、彼の漫画が語るのは、そんなどうしようもない現実の中の静かな希望とでも言うべき情景、つまりは言い換えるなら、人はエロさえあれば生きていける。ビバ

タイトル
フレイクス
作者
山本直樹
収録作品
『フレイクス』、『守ってあげたい』、『Sho Nuff I Do』、『アダルトビデオの作り方』