デザインの善し悪しも証明できる

僕はデータで証明できるGoogleがうらやましいと思うけど。

そう、Googleでは2種類の青色のいずれかで決めかねたら41の中間色をテストして最もパフォーマンスのよいものを選ぶというのは事実なのだ。先日、境界線の幅を3ピクセル、4ピクセル、5ピクセルのいずれにするかが問題になったとき、自分の意見を証明するよう求められた。このような環境で仕事をすることはできない。そうした些細なデザインの決定を論じるのにはもううんざりだ。
グーグルのビジュアルデザイン責任者が退職--データ中心主義に嫌気:ニュース - CNET Japan

やめた人のブログの翻訳 グーグルのトップデザイナー辞任の弁:Google's Top Designer Leaving
入社したときの記事「【コラム】シリコンバレー101 (178) CSSの第一人者がGoogleのビジュアルデザイン・リーダーに | ネット | マイコミジャーナル

デザインは何かをよくするために決められるべきで、それはボタンの押しやすさだったり、ユーザが入会しやすいようにだったり、コンテンツを読みやすいようにだったりする。そしてそれらはたいてい(Googleほどのユーザ数がいれば)実際に使わせた結果のデータで客観的に決められる!

デザイナーは「それを、テストしなくても(経験や勘を用いて)分かる人」で、だからテストできないたいていの環境では頼りになるのだけれど、テストして負けたら負けを認めるべきで、主張→テスト→主張が崩される という結果が出続けたから「あの人の言うことを信じてやってしまうより、テストしたほうがよい」という雰囲気になったのではないか、と思うのですが。

「何がよくなるのか(何を計測すれば向上したことが数値化できるか)を言語化しにくい」というのはあると思いますが、そこは言語化できるように鍛えるべきだし、時代の流れとしてデザイナにその能力も求められるのではないか。これからは広告の善し悪しも独創性や何となくではなく購買率で判断される時代で、デザインやキャッチコピーの善し悪しも計測できれば計測して結果によって淘汰される。

最終的に人間ではなく人工知能アルゴリズムがデザインを決める時代がやってくるかもしれないですが、「すべて金儲けのために」という目標が設定されている以上、その自動化(ロボット化してリストラでコスト削減!)は、どんな職業も避けられないのです…”クリエイティブな仕事”は決して聖域ではない

デザイナがテストに対して主張すべきなのは「このデザインでよくなったことは、今の技術では計測できない」場合です(そういうことは多い)。で、計測できる効果と計測できない効果のどちらを重視すべきかはデザイナより上の立場の人が決定すべきで、その決定に同意できないなら上司(職場)を変えるべき。まあ、上司としては「数値で見えている結果より見えない結果を(この人を信じて)重視しましょう」という判断はとりにくいだろうし、だから目に見える結果で判断しやすい方に全体が流れていくでしょうね…