金持ち父さん 貧乏父さん

金持ち父さん貧乏父さん
ロバート キヨサキ 白根 美保子
筑摩書房 (2000/11/09)
売り上げランキング: 263
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おすすめ度の平均: 3.99
4 「人生の元手」を見直す本
5 こんな事を知らずに税金ばっかり払って・・・・
5 金持ちと貧乏人をわけるのは、資産に対する考え方の違い。
 うーん、どうなんだこれ。
 要約すると「金のなる木を買いなさい」というこれにつきる。
 資産とは「価値のあるモノ」ではなくて「ポケットにお金を入れてくれるモノ」つまり金のなる木。逆に負債は「ポケットからお金をとっていくモノ」。
 ふつう土地や家や車などは「資産」として扱われるのだけれど、著者ロバート・キヨサキはこれを「負債」と見なす。例えば「自分の持ち家」なんかは、税金は取られる、電気は食う、ローンは払わなくてはいけない、とお金を自分のポケットから他者(金持ち)のポケットに運ぶに回すからだ。
 「本当の資産」とは株や不動産、印税(著作権)、などなど。不労所得=金のなる木。
 貸借対照表損益計算書を使ってお金の流れ(キャッシュフロー)を図解し、「家や車などの負債」ばかり買って「資産(金のなる木)」を買わない人は一生ラット・レース(お金に使われる生活)から抜け出せませんよ、と脅すわけだが…

 さてさて。問題なのは。彼の言い分では「資産=ポケットにお金を入れてくれる」「負債=ポケットからお金をとっていく」なんだけど、実際のところ、多くのものは最終的に売却してみるまで資産か負債かわからないというところ。株や不動産は「損をするかもしれない=負債になるかもしれない」ものだから、ふつうの人はあまり手を出さないのだけれど……バブル華やかりし頃日本では資産のつもりで不動産や株に手を出して大損をこいた人が大勢いた、という記憶も新しいし。
 そういう言い訳をする者に対して金持ち父さんは怒る。「失敗して学べ」「失敗した時に取り返す方法を学べ」
 でもこの本には、肝心の「失敗した時に取り返す方法」は載っていないのである……わお!
 だいたい、金のなる木がどこにあるか分かったらみんな買うって!

 あと「始めない人は損をしたまま」みたいな「信じない人は救われません!さあ信じて行動しなさい!信じて行動した人だけが成功をつかめるのです!」みたいな言い回しがうざいなぁ。

 ただ刺激的ではある。ヘイコラ他人のお金のために働いているサラリーマン諸君はこの本を読んでその人生のばかばかしさを顧みるがいい! 人生で大切なのは労働収入ではなく不労所得だ! とまあ共産主義者に革命で殺されても文句は言えません。

 金持ち父さんのもう一つの大事な教えは「会社を作って得しろ」というもの。会社を作ると、いろんなモノが経費(税金のかからないお金)で買える、会社が失敗しても自分に借金が回ってこないようにできる、等々、いろいろ得することがありますよ、という話。
 うーんそうなのか…というかほかにもいろいろ得する方法がありそうだなぁ。この本で不動産投資を進める理由も、アメリカでは不動産の方が税制的に優遇が受けやすいからだし、育児補助とか知らなければ知らないしなぁ。いろんな補助金とか、保険のかけ方とか、どうやって勉強すればいいんだろう(金持ち父さんの教えは「専門家を雇え」さすが金持ち…)。